ジャガイモにも花は咲く の続き
N先生も、私も、新しいパートナーと組んで夫々に練習を始めた。私は、上手く踊れ無いにも 、
かかわらず、練習する事自体が面白くてしょうがない訳で、毎日セッセと彼女を迎えに行って夜は、
先生たちの合同の練習会なので、練習が終わるとスタジオから彼女の家まで直行で送り届ける。
本当に毎日セッセと休みの日も、休み無しで彼女を練習に呼び出し、スタジオへ
連れていき練習を続けました。ある日、T子先生に呼ばれて言われました
「ナベオ、女性は練習だけすれば良いと言う者じゃないわヨ、、休みの日ぐらい
何処かへ連れて行く位、しなければ、貴方のパートナーに成るの断られるわヨ」。
彼女は別に毎日の練習でも、嫌な顔もしないし文句や苦情を言う事もないし、
断られる様な様子も無い{練習方法は、相変わらず、私のペース、24話}
“ウーン”よし彼女に聞いて見様 「練習きつい?」 彼女に直接聞いてみました
「練習はきつく無い、けれどスタジオに入ると、天井が頭の上に圧し掛かってくる、
気がして、スタジオに居るのが息苦しい」 為るほど精神的に少しきついに違いない、
そこで、休みの日は気分転換にデートに誘う事にしました。映画の話が出たりすると、
その時の事を、彼女は、成長した子供達に、私をカラカウ様な調子で「結婚前のデートで、
映画に行ったけど、連れて行って、くれたのが、“猿の惑星”“アンドロメダ”“エクソシスト”
“ヘルハウス”でしょ、それから、何かあったかしら、そうだ映画じゃ無いけど動物園と水族館と
別所沼のボート乗りかな」 と話す。これが時々出る。今、考えるとあまりロマンチックでは、
無かった様だけれど、話す時の彼女は楽しそうだから、当時、気分転換には役立ったのだろう。
そんな風にしながら練習は続いた。一年が経ち、更に半年が過ぎても、練習量の差だけでは、
ジャガイモの才能では、N先生に及ばないようだった。そんな時にH先生が無茶苦茶な事を
言い始めた。
「ダンスのスイングは、位置エネルギーに、比例するから、思い切りロアーをして
足を振り出せ」そう言うと実際に、椅子の上から飛び降りさせ、ロアーして足を開く
練習をさせたり、後ろから肩を抑えて、膝が床に着くまで踊れとか、言われて練習が開始した
無茶苦茶な事なのだが、コーチの言う事なので、仕方なく、ロアーというよりセッティングして、
膝のバネだけで動いて、踊るような練習を、それも最大限にやった為に、足のあまり強く無い、
私のパ―トナーと、 N先生のパートナーの二人供に膝が壊れた。
膝の靭帯の損傷と、関節に、水が溜まる状態になった、ドクターストップである、
営業しながらの治療なので、練習再開まで半年近く時間がかった、その間
練習は私一人になった。スタジオの誰も居ないフロア―で、一人だけで
試行錯誤のシャドウ練習をしていた。
半年近く月日が過ぎて、二組ともパートナーの膝も治り練習を再開した。
相変わらず練習量は断然私のほうが多かった。暫くして隣で踊るN先生をみた、
調子が悪いのかスピード感もなく、 ボデイも弱々しくム―ブメントも切れが無く、
余り踊れない様だった。それからもN先生の練習は毎日の様に調子が悪そうだった。
以前の練習で敵わないと思ったあれほどストロングなボデイと、パワフルな
ムーブメントとスピード感が、何処かえ消えてしまったようだった。“フ と気ずいた!”、
N先生の調子が悪いのでなく、自分の目にN先生が下手に見えているのだと、
それからは、少しずつ逆に、差が開いて来ているのが自分でも解かるようになった。
N先生も気が付いたようで練習量が増えました。でも長い月日の練習の積み重ねで出来た、
大きな土台が出来ての差は、今度は少し位センスが良くても、少し練習量を増やした位では
追いつきません,ジリジリと差が開き始めました,{ブレーキを踏んでも、なかなか止まらないように}
ある日気が付いても、練習の積み重ねで差が付いたときは、もう、埋め様がなかったのです、
なぜなら、それは大きな土台の差だったからです。 “才能は及ばない”、と、言われた、
“ジャガイモが追いつきました。”努力しだいで、ジャガイモでも花は咲きます。
ちなみに、花は白だったかな?
“練習しているのに上手くならないと思っている貴方,”そんな事はないですよ、継続は力です、
坂を登るように上手くなる訳では有りません。 “階段を上がるように上手くなる”、と、言ったほうが
適切でしょう、ある日一段ステップを上がると、別の世界が待ってます。、
そして,又、次のステップまで練習しましょう。 “継続は力”ですよ
次回はパートナーのリクエストで「女の感は怖いのヨ」を書きます、本当に、怖いですヨ