今年の木島平は雪解けも早く、暖で穏やかな日々が続いています。
昨年の春は確か、三月終わりから四月頭にかけて結構冷え込んでしまったり降雪があったりと、中々に厳しい春だった様な記憶があり、今年はちょっとヤギヤギ、じゃなかった。 ウキウキした気分になります。
おそらくは、若女将がヤギの世話にばかり夢中になり、大自然に対する敬意と畏怖の念を失ってしまった事に対して、母なるガイアが報復活動に移ったのではないかと睨んでいるのですが真相は定かではありません。
昨年は五月にはいっても青草が全く育たず、干し草を農協から買い続けなければならないハメに陥りました。そして野草の育成不良は秋頃にも餌不足となって我々の生活に甚大な影響を及ぼしたりするのです。ああ、恐ろしい。
ちなみに、干し草を食べやすくほぐして袋に詰め、ヤギ小屋に運び込む作業は思いの他重労働です。大量の草の粉が舞い上がり、何をどうしても鼻の中に入ってきてしまいます。おそらく我々の肺の中は、草の粉で緑色に染め上がっている事でしょう。
そして草の袋をヤギ小屋に運び込む時には、必ず興奮したヤギの襲撃にあいます。もちろん、怪我したって労災はおりません。
ちきばんがブラック企業と言われるのはこの辺から来ている事でしょう。
よく昔から「大道芸人殺すには刃物入らねえ」と言います。雨によって野外で演芸活動ができなければ大道芸人は手も足も出ないそうなのです。お天道様の気分一つで生活に甚大な影響を受けてしまうのは、我々ヤギ飼いも同じ事が言えますね。
おや、いつの間にか我々ヤギ飼い、と言ってしまいました。
よく考えたら本職は宿の運営であり、我らの誇るチキチキバンバンを日本一のダンス合宿の宿にする事。優先順位を間違えてはなりません。
ヤギはあくまでも、「激しい練習を行う学生たちがホールから草をノンビリと喰むヤギ達をみて元気になって欲しい」という思いで飼い始めたのであります。
最近は知人からヤギの餌代を賄う為に宿をやっている、と思われている節があります。これはとんだ風評被害。
我々が訪ね求め続けるのは、どうしたら合宿にくる学生たちが、もっとダンスに打ち込めるのか。人間の限界を超えた集中力とパフォーマンスを発揮するためのお手伝いをする事ができるのか。そんな感じで運行していくチキチキバンバンでございます。
さて、ダンス合宿のばたばたした日々が終わり、平安な日常に戻ってから早くも一週間が立ちます。ぼちぼち気持ちも切り替えて、次のシーズンに向けて仕事を開始しなければならないのですが、どうにも頭とカラダが切り替わらない。
さらには花粉症の予防薬の副作用なのかむやみやたらに眠くなる。常に頭がぼうっとしている感覚もあります。
とりあえずリハビリがてらできる事からゆるゆると。
今日の仕事は一橋大学でやたら好評だったオムそばが、果たして何がそんなに学生たちの心を惹きつけたのか確認してみたく、再現してみる事になりました。
蛇みたいにのたうちまわった書体で「さちえ」と愛する若女将;奥様の名前が刻まれています。
平仮名なのは、前回一橋の字を間違えて居候に来ていた若者からゴミクズのような目で見られた過去を顧みてのこと。
もしここで嫁の漢字を間違えてしまったら、これまで積み上げてきた夫婦の経緯、信頼関係なんぞはいとも容易く崩れ去ってしまいます。
さて、肝心の味ですがどうなのか。至って普通にオムとそばでした。普通に美味しかった。でもまだまだ改良の余地がありそうです。
次のダンス合宿シーズンまでには、オムたすそばが2ではなく100位になる工夫を考え出したいと思います。
そんなこんなアンニュイな感じのお絹お母ちゃんの絵で今日はお別れです。
花粉症薬の副作用、どうにかならんものか::::::