待ちに待ちつつも内心どうなるんだろうと恐れていた絹(母ヤギ)のさかりがついに始まり、来年もヤギ乳を浴びるほど飲むために、さっちゃんの○○が大きくなるために、TMR並に是が非でも種付けをお願いしたいのがちきちきばんばんの愉快な面々。
ちなみに発情中のヤギは、普段の怪力に加えてゾハルにコンタクトする能力が発言するのか、エーテル感能力が∞になります。鳴き声はレメゲトンとなり、物理法則を超えた様々な事象、天変地異を誘発してきます。まさに、荒ぶる神。取り敢えずヌカ食べてるあいだは大人しいですが。
ヤギマスターの甘言に騙されて、種付け業者はオスヤギを連れてきてくれる物、とすっかり信じ込まされていた我々。いざ蓋を開けてみたら、発情中の暴れヤギをつれて現地に行かなければならないことが判明。ヤギもろともバタバタと途方に暮れて小屋の中をグルグル駆け巡ってみたけれど、いざ車に乗せてみたら以外にすんなり乗ってくれて、一路須坂まで楽しいヤギドライブが幕を開けるのであったのが前回までのあらすじです。
仕事用のキャラバンを汚す訳にもいかないので、後部座席を全部あげてビニールシートを敷いた上にさらに藁を敷き詰めてヤギ対策は万全です。始める前は色々大変そうなイメージでしたが、やってみるとたいしたことないじゃん。あとは好物のヌカでヤギを釣り上げて、ヤギピットイン完了です。
あとは問答無用に後部扉をしめ、ヤギが運転席に凸してこないように守護神さちえちゃんを後部座席に配置したら出発です。
エンジン音にびびり、バタつくヤギたち。それを懸命に体で押さえ込むさちえ。
信号で車が止まるたびにバランスを崩し、出発するたびにバランスを崩すヤギ。出発五分もすると慣れ始めて、餌を食べ始めるも、早くも飽き始めるヤギたちをなだめすかし、後部ヤギゾーンからはみ出さないように体でヤギを押さえつけるさちえ。私はさちえが酔ったとか飽きたとかお腹すいたとか言い始めないか気が気でない。ヤギもさちえもお腹がすき始めるとなんでも口にしてしまう習性があります。変なモノを食べて体調を崩したりしないか、バックミラーをまめに注視しなければなりませんでした。
それでも車がすれ違うたびに物珍しそうにキョロキョロと視線を動かすヤギと守護神の姿は非常に微笑ましく、好天も相まって車内はとても牧歌的な雰囲気に包まれていました。
「よしまさ(私のことです)、また夢一つが叶ったね☆」さちえは上機嫌でそんなことを口にする。
新婚旅行当日に私のパスポートの期限切れが判明し、成田までたどり着けなかった黒歴史なんぞどこかに置き忘れてしまったかのようでございます。
そうこうしながら車を走らせること小一時間、特に問題もなく目的の畜産農家さんのところにたどり着いた一行。
ちなみにこの日のパーティ編成
・私(牡。人間。ドライバー兼社長という名の雑用係。一番下っぱ。師匠からへっぽこ三等兵等ひどい呼ばれ方をする)
・(牝。人間・新妻・守護神。よく食べる。実質の最高権力者にして、影で師匠とも呼ばれている)
・絹(牝。一歳半。現在発情中。お尻から○○○○(自主規制中)を垂れ流す・)
・木綿(牝。半年くらい。なんでつれてこられたのかよくわかっていない)
のフォーマンセル。
母ヤギと引き離されて挙動不審がる子ヤギを師匠にまかせて、種付け現場に絹を引っ張っていきます。
初めて生で見る牡ヤギの迫力と、後尾の生々しさ。この場に師匠がいたらどん引きしていたかもしれません。
交尾自体は割とスムーズに終わり、行きずりの恋人との別れを名残惜しそうにする絹。この辺の細かい描写は、
「夜のちきちきばんばん」にて別途記載させていただきます。
事が無事に終わり、我々の一大懸念だった種付けをクリアできた安堵感。天気も良いのでモスバーガー買って車内でランチをすることになりました。ヤギたちにはスーパーで買った白菜をそのまま放りこみます。
白菜を秒殺したヤギたちは我々がほおばるモスを物欲しそうな目で見つめてくる。
もちろんあげません。どんなに可愛い目をしてもあげません。
むずがるヤギたちの目の前でゆっくりと美味そうにモスをかじる我々。この被虐的快感。所詮家畜と、霊長類人間様の彼岸の差、越えられない壁の存在を存分に見せつける行為を口腔の肉汁とともに嚥下する喜び。これぞヤギ飼いの醍醐味。
そして満腹感からくる一瞬の気の緩みをついて、ヤギが最終防衛ゾーンを越えて侵入してきます。たちまちにパニックになる車内。やはり人間は最後のところでは自然に敵わない事を痛感させられるランチとなりました。
とそんなこんなバタバタしながら家につき、ヤギたちを小屋に戻すと絹はさすがに疲れたのか早速寝てしまいました。
無事に着床していたら、五ヶ月後、春の暖かい時に新しい命たちに出会えるわけです。(´ε｀；)ｳｰﾝ…楽しみ・・・・
ということでてんやわんやなダンスの宿ちきちきばんばんのオフシーズン。いろいろ楽しいイベントを用意していますのでぜひ、遊びに来てください☆
終わり
