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2016年夏、首都大学競技ダンス部の合宿が粛々と、というにはあまりに爆音を撒き散らしながら日程を消化し降ります。合宿もちょうど半ばに差し掛かり、いよいよ学生たちの顔にも疲労の色が見えてきます。

はじめはお前らヤギか、と思うくらいに猛威をふるっていた彼らの食欲も目に見えて落ちてくるのもこの頃。まあそれでも流石に体育系の合宿(一応競技ダンスは文化系になるらしいのですがやっていることは自衛隊並)見ていて気持ちのいい食べっぷりでございます。食わないと持たない。食わないと強くなれない。

一般的なサークルの合宿になると、練習ばかりではなくて合間合間にスイカ割りだとか花火だとか肝試しだとかいかにも夏っぽいイベントを織り込みながら、どこかレジャー気分も漂う所が少なくないのですが、うちにきている競技ダンス部の合宿はそんなスイーツな要素は一切ありません。早朝から踊り、トレーニングのように餌、じゃなく飯を喰らい、僅かな隙間時間は寝るかたまった汗くさい洗濯物を何とかして、また踊る。踊り続けなければ死んでしまう。まるで赤い靴を履かされて焼け付く鉄板の上で踊らされる、中世の童話の登場人物の誰かの様な生活が繰り広げられるわけです。

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さて、そんな疲労困憊の彼らに何かしてやれないかと思い、絞りたてのヤギ乳を振舞ってみることにしました。なぜか今年の夏からうちの裏のがけに母娘のヤギがいます。

雑草を懸命にハムはむしてくれて、うっそうと茂るジャングルのようでどうしようもなかった叢がきれいに食べつくされてしまいました。そして僕らに新鮮なお乳を提供してくれます。まったくかわいくて仕方ない。そんなフレッシュで野草の栄養が詰まったお乳。

ヤギ乳のめます。と掲示板に提示しておいたところ、早速食事時に「すみません、乳もらえますか」と申し出が。およそ2lのボトルのヤギ乳が (ちなみに一日大体三リットルくらい出て飲みきれません )あっという間に消滅いたしました。木島平の雑草が育んだ栄養が彼らのダンスの肥やしに少しでもなってくれたらヤギさんたちも幸せではないでしょうか

 

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