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ついに春の合宿シーズンが始まってしまいました。ここから一月ほどは人間性をかなぐり捨てて農耕馬のように働かなければなりません。

それ以外の時期はくらげのようにふにゃふにゃと芯のないだらけた生活を繰り返す日々なのですが、このギャップになじむのになかなか時間がかかります。

さて、2016年はじめの合宿は東京理科大学競技ダンス部の皆さん。

30~40名の若者たちが地下のメインホールで熱気をたぎらせます。

理科大というとスポーツよりも、めがねをかけて暗い部屋で細々とロボットのさらにもっと細かいねじの精度が何千分の一mmですっげーとかこの金属の

平面精度すっげーとかこのエンジン燃焼効率がすっげー。すげーというよりすっげー、と一風変わったところで盛り上がっているようなイメージがありますが(失礼)

きちんとさわやかな汗をかきながらスポーツにいそしんでいるのです。ちょっと意外でした。

 

ちきちきばんばんにくる学校はさまざまなのですが、競技ダンスの体育会の部は現在6校とお付き合いがあります。

それぞれ学校ごとに特色があるのですが、それとは別に年度ごとに各校共通で何がしかの流れのようなものがある感じがします。

これは、合同強化合宿などで、練習内容やコンパの一発芸のねたをシェアしているからなのかもしれませんが、それ以外にも目に見えない、

ユング先生やフロイト先生の言うところの深層心理、もっと深いところにある阿頼耶識の領域で、人類レベルでの精神の動きが彼らに反映されている部分があるような気もします。

 

理科大の学生を見ていて、徐々にある傾向が顕現し始めるのです。それは:::

「恐ろしく飯をくう」

ちきちきばんばんは合宿所としてはかなり食事に力をいれていると自負しており、一度など懇意にしている旅行業者から

「お宅の食事が評判いいのでレシピを教えてほしい」といわれたこともあるくらいなのです。これはちょっと鼻が高くなります。

量、ボリューム、満腹感のバランスを高い次元で維持しながら、いかに体育会系の若い男女の胃袋を満たすかに日々研鑽を重ねているわけです。

 

そんな料理長はじめスタッフ一同の努力をあざ笑うかのように、学生たちが通った後の食堂には麦粒一粒残らない、荒地のような有様。

まるでイナゴの大群に襲われたような様相を呈しているのです。これはいったいどうした事か。

勿論、うまいうまいといいながら天を突くばかりに盛られた飯をほおばる学生たちを見るのはほほえましいのです。これは本当です。

が、米の減りが尋常ではない。このままでは木島平中の米が食い尽くされてしまうのではないかと背筋が寒くなってきました。

 

木島平で宿を構え、学生の胃袋の挑戦を退け続けて35年、この戦いに負けるわけには行きません。お前らの挑戦、受けて立つ!

彼らのストマックが勝つか、われらの備蓄した米と野菜が勝つのか、それとも敵は身内に隠れている。新妻の食欲がすべてを飲み込むのか。

今年の木島平からは目が話せません。