第14話
初めてのカップルと女性の感の凄さに驚いた話の続き
そんなある日何時もの様に先生の助手をしてレッスンをしているときに
電話がかかって来て取り次がれ受話器を渡された。私にだったが電話口
から聞こえる声は誰だか分からなかった。
少し話しているうちに「最近入会してレッスンしてもらった林です」と言われても
名前と顔が一致する人が思い当たらない「この間上条先生と一緒に、家が
環七の向こうで近所だねって、お話ししたんですけど覚えてません」上条さんの
名前が出て思い出した。彼の家の近所から習い来た子だ。最近助手仲間で
誰が誘うか話題になってる不二家のモデルのペコちゃんに似ている子だ
初等科の生徒の女性だとは分かったが、とにかくレスン中なので、そのクラスの
終了するまで駅の近くの喫茶で待ってもらうことにした。彼女のには最近
助手仲間で色々と声を掛けていて、誰が誘うか話に出ているので、屹度
彼らの内の誰かへの橋渡しの話になるのだろうが、女性からの呼び出し
なんて滅多に無いので、少しウキウキしながらレッスンが終わると、
此の日は練習はなしにして少し早めに教習所を出た。
待ち合わせ場所に行くと予想道理の女性が待っていた。習い始めて間もない
ダンスのことや、色々と取り留めない話をしながら結構打ち解けて話が弾んだ
彼女は19歳だと言っていった。内心{今まで経験がなかったが女の子と
こうして二人で話すのもいいなと思った}
そうしているうち大部時間が経ったが、彼女から一向に目的の話が出てこない
{話しずらいのかな?自分から切り出してやろう} 「林さん、誰か助手の先生で
間に入って欲しいなら力を貸しますよ」話しやすいように此方から話を振って
あげた。
言われて女の子は吃驚した様子で「違います先生に来てほしかったんです」
今度は自分が吃驚、思いもしない展開になって頭の中がグルグルと廻るよう
途端にぎごちなくなってしまった。今までは他人の事とおもっていたんで、気楽な
もんだったのが、自分の事だと知ったら経験の無い場面に出っくわした事になる
誰かへの橋渡しの依頼かと思っていたら、自分への橋渡しの話だなんてもう
此の後はトンチカンな、ピント外れの事を言ってしまい舞い上がってしまった。
でも悪い印象は与えなかったようで、交際しましょうと言うことに話が進んだ
だがどうして男生助手の中で、選んだのが自分だったのか不思議だったのだが、
彼女に言わせると 「“最初のレッスンの時から私が話しかけていたのに
気が付きませんでしたか?”」
言われてみると、確かによく話しかけられていたが 大人になった不二家の
マスコット人形のペコちゃんの様な印象だったので、愛嬌たっぷりの愛想のよい
女の子と理解していた
でもそれで、“ハっト”思い当たることがあった。カップルを組んでいる涼子さんの
不可解な言動が出始めたのと、彼女が入会してレッスンを始めた頃が同じ頃
なのだ、でも何故・・・如何して・・・今日初めて彼女と打ち解けたばかりなのに、
訳が分からん、涼子さんの言動のエスカレートと何か連動しているんだろうか
それは置いといて、お付き合いしましょうと言うことになって
「先生達はパートナーっているんでしょ、特別な人」と彼女が聞いてきた
「嫌、特別な人と言う事でなく練習相手だよ」と答えた。次の日彼女は自分の
クラスのレッスンが終わっても帰ろうとせず次のクラスのレッスンを見てから帰った
受け持ちのクラスのレッスンが終わってから待ち合わせ場所に行くと、
彼女は「先生のパートナーは、あの人ね」と涼子さんの名前をいった。
理解不能 如何して?涼子さんといい、彼女といい、一度も話どころか挨拶も
したことがない筈なのに、お互いの存在を見ただけで認識するなんて
女性の感は凄いを通り越して何か恐ろしいものがある。
なんという感受性なのだろう、男とは別の生き物に違いない
持論の男二十七歳適齢期になるまで女性との交際はしない、と言う考えは
何処かえ消えてしまい練習もしないで教習所を出る日が多くなってしまった。
しばらくして先生に呼ばれ釘を刺されてしまった。
「涼子さんにダンスに懸けるって言われたでしょ、年上だからて気を使って控えめに
してる気持ちを考えてあげなさい。直接ではないけど、本気でダンスを考えたらと
涼子さんに相談を受けたときに、応援しようと思って貴方に言ったでしょ」
私の知らないところで、そんな話になっていたなんて “エッ”“ソンナー”である
私からすれば、それしか言いようがない。結局段々練習をしなくなった私は先生に
何回かのお説教のあと“涼子さんと本気で踊るか、教習所を辞めるか
何方かにしなさい”選択を迫る最終通告を言われてしまった。
そお言う事で最初のカップルは解消になってしまった。
その後二度目のカップルとして彼女を育てるには未だ力不足だったらしく、
時期に二人の仲も終わりになってしまった。
でもいい勉強になった。女性の感の凄さは怖いですよ此れを読んでる男の人
貴方の知らないところで電波と火花が戦わされているかも知れないですよ