第四話
今から28年前の話 イギリスはやはり凄かった
脳に移るバイキンの話
渡英して帰国後しばらくしてコーチは以前のように私にレッスンをしてくれなくなった
私は毎日真面目に練習をしているのだが、それでも何も言わないし見てもくれない
仕方がないので直接聞いてみた。
どうして此の頃、前のように練習を見てくれないのですか?
それに答えて、言ったコーチの言葉を聞いて思わず “エ” だった。思わず耳を疑った
コーチの言うことには「ナベオ〔私の事〕の踊りを見ると脳にバイキンが沸く」であった
コーチが言うには、ダンスは脳が重要な働きをしていて、その為に踊り始めから
踊り終わるまで、頭の中で踊りきる練習をしているのだそうだ。
そうすることで実際の踊りの時に脳が踊りを助けて、踊っているときに
その様に踊れるようになるらしい。だから私の踊りを見ることは脳に悪いバイキンが
沸くことにンるらしい。
この先イギリスにレッスンに行くまでは、良いイメージを持続させるため出来るだけ
悪いバイキンが脳にわかないように私の踊りは見ないようにしているのだそうだ
冗談のような本気のような話だったが、今思うと本気だったのだと思う
今のスポーツ選手は競技の最初から最後まで、勝利してインタビューに答える所まで
頭の中でシュミレーショント・レーニングをするのは、普通になっている
誰でもシュミレーション・トレーニングの言葉を知っている時代になった。
最近でこそイメージトレーニングで、直前に頭で練習をすることで、実際の時に脳が体に
指令を出して動きを助けると言ってみんなイメージトレーニングをするようになったが
でも 問題は “昭和50年の頃に” シュミレーショントレーニングですよ、考えられます?
それに近い事をイギリスではやっていて教えられて帰って来た訳です
でもその御蔭で私は脳に憑くバイキンにされてしまったわけです。
イギリスから帰国後「ダンスだけでは駄目頭も鍛えなければ〕といいだして、バレーや
美術館、コンサートに行きだしスタジオには画家のお兄さんの特大の絵を懸けたりした
やはり影響を受けましたネー 脳トレーニングは でも直接はバレーの凄さを
知ったことかな